社風を感じる
社長メッセージ
「弊社は1945年10月1日に焼野原の昭島で、ヘラ絞りを利用して煮炊きができる鍋釜を作ることからスタートしました。「技術力、営業力、任せて安心パートナー力」三位一体企業として変身。金属加工のデパートとなり、点でやっていた絞りが面で受けられる会社になりました。『鍋からNASAまで』のキャッチフレーズでアピールしています。」
創業70年を迎え、新工場建設に着工しました。6月末に完成を控えています。また、2020年10月1日には3代目へと事業継承されます。
次期社長、長瀬専務のメッセージ
「いちから作ったものが、生かされていくこと。これこそがものづくりの醍醐味ですね。また中小企業のやりがいは、ひとりひとりの影響力が大きいことです。自分の発言や、作ったものの品質がダイレクトに影響します。
この会社は、技術力のみならず、営業力でも強みを持ちます。社長は元々薬剤師であり、MR(医療従事者を訪問し、医薬品の品質や有効性に関する情報を伝達する仕事)をやっていた人間ですから、「知っていただけなければ、使っていただけない」という信条を持っています。『ヘラ絞り』と聞いて、わかる方は少ないでしょう。若い世代にも伝えていかなければ、設計の図面にヘラ絞りの技術が盛り込まれる機会は減ってしまいますから、対外的にこの技術や製品精度を伝えていくことは重要です。」
東京仕事センターのイベントにも登壇し、若者たちへものづくりの魅力と、仕事のあり方を伝える長瀬専務。
「大切なのは、やる気!これに尽きると思います。創業者である祖父はタクシー会社、社長である父は薬剤師、私も研究員をしており、最初からものづくりの人間ではありませんでした。社員にも、未経験の転職からプロフェッショナルになった者たちがいます。どれだけ早く、いいものを作ろうとするか。その気持ちさえ持ってやっていただけたら、勉強をするのは入社後からでもできることだと考えています。」
完成をイメージする力を養う
期間はその都度変わりますが、長ければ3ヵ月程しっかりと研修をします。座学も行いますが、研修の基本は現場です。まずは全ての現場を一通り回った後、その後適性によって配属が決められます。
ヘラ絞りが一人前といえるようになるまでは4年程度かかるかと思いますが、早い人であれば、半年から1年程でヘラ絞りの基礎的な加工ができるようになります。ここで求められるセンスとは、腕というよりも「何をやっているかを見抜く力」を指します。たとえば、資材を切り出した際に角にできる出っ張りのことをバリと呼びますが、バリ取りはただ撫でるだけでは仕事とは呼べません。その工程の完成をイメージして、どう仕上げるかを考えながら手を動かすことこそが仕事です。この本質を理解できることが大切です。
工程によっては複数の機械を使いこなす必要がありますが、ヘラ絞り、板金、バフ研磨、どのポジションであっても、社員ひとりひとりがメインとして技術を極める専用機を持ちます。
また手絞りをしながら、自動ヘラ絞り機を回すなど、マルチタスクの力を身に着けていきます。
業務中の質問は、どんどんできる環境です。
充実の年間イベント
社内イベントは多すぎるといわれるほどです。花見に、暑気払い、社員旅行に、忘年会、会社での餅つき大会まで、1年を通して皆で楽しんでいます。
専務取締役の思う「ありがとう」とは
「何事も当たり前だと思わないことを心構えとしています。社員が働いてくれることは当たり前ではありません。外注のお取引企業様に対しても同じです。自社でできないことを引き受けてくださる一件一件に感謝しています。
だからこそ、我々も自社製品に対して、どのように改善すべきかを考え尽くしています。お客様からの『こんなことは出来ますか』というニーズに対して、どうにか工夫を重ねて応えたときにいただく感謝の言葉は、何より嬉しいですね。」